幼魚アイドルFloor テーマソング
水産系ド演歌ユニット 𩸽(ほっけ)「ようぎょ」

歌:ふうかまりを、鈴木香里武

作詞・作曲:ふうかまりを 編曲:阿部隆人

ようこそ幼魚の世界へ

ここでの主役は、小さな魚たちです。
とっても小さいです。
中には目を凝らさないと見えないような魚もいるかもしれません。
なぜそのような子供たちばかりを集めているのか。
それは知らないともったいないくらい魅力的な存在だから、
という僕のおせっかいなんですね。

この水族館では、
幼魚たちの表情を感じてもらえるように工夫しています。
小さいのに。いや。小さいからこそ。
近づいてじっくり見ていただくことで、
これまで気づかなかった表情の豊かさを発見していただけるでしょう。

楽しむ秘訣は
「類から種へ、そして個へ。」
魚類という入り口をくぐり、種類の窓を覗きこんだ先に、1匹、1匹の個性が見えてきます。
そこに”生態”を超えた物語が広がっているのです。

小さな天体の中に巨大な質量が封じ込められているものを、人は「ブラックホール」と呼びますね。
幼魚も似たような存在なのかもしれません。
小さな体の中に、あまりにも壮大な物語が詰まっている。
そこへ抗えず吸い込まれてしまったのが僕です。

そして、次はあなたの番です。

ここは清水町柿田川にある
小さな漁港

何やら金髪で長髪の男性が
網とバケツを持って岸壁に寝転んでいる。

その名は、鈴木香里武館長。
またの名は、令和のお魚王子。

カリブの頭の中を具現化する!!

海の手配師・石垣幸二氏のこんな言葉から始まった
この岸壁幼魚採集家による幼魚だけの水族館。

世界人口の2%と言われる高いIQをもつMENSA会員のカリブ館長の頭の中!?
さぁ、カリブ館長の脳内探検に…
いざ、出発!!

IN THE BRAIN
FLOOR MAP

漁港~幼魚は擬態の天才

Floor A

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漁港の足元を覗いたことがありますか?
漁船がたゆたい、

釣り人が糸をたれる、その足元には幼魚パラダイスが広がっているのです。体が小さくて、まだ泳ぐ力も強くない幼魚たち。
大きな魚に見つかったら、逃げることも戦うこともできずに食べられてしまいます。エサを食べたくても、獲物を追いかけるのに十分なスピードはまだ出ません。

そこで彼らは、秘伝の技を習得するようになりました。
名付けて、「忍法・擬態の術。」



ある者は海面に浮かぶ枯れ葉や海藻の切れ端、海底の岩といった物に化けて敵に見つからないように身を潜める。
またある者は、生き物であることを悟られないように気配を消して獲物を待ち伏せする。なかには、他の生き物になりすますことで生きのびる道を選んだ幼魚もいて、海の中はまるで仮装大会のようです。

 人工的環境の中に自然が生まれている不思議な世界ー漁港。
四季の移ろいを感じて、そのリズムに合わせるように姿を現す神秘的な存在ー漁港。ごく身近な“足元の海”に潜んでいる
上級忍者たちの“違和感”をあなたは見破れるでしょうか?

危険な幼魚

Floor B

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小さいからといってあなどるなかれ!
それ以上近づいたら、...

無事に帰れる保証はございません。
目の前にいるのは海の危険モンスターたち。
チクリと刺せばたちまち手がグローブのように腫れ、
ガブリと噛みつけば体がしびれます。

殴る者、挟む者、矢を射る者…



恐怖の小悪魔たちは、何食わぬ顔であなたの訪れを待ち構えています。
でもそんな彼らを悪者扱いしてはいけませんよ。
これも立派な生き様です。海は、中途半端な努力ではふるい落とされてしまう弱肉強食の世界。
小さな体で生き抜くために、誰も思いつかなかったようなアイディアと、気の遠くなるような年月をかけた進化の結果あみだした個性豊かな武装なのです。

剣を振り、歯を研ぎ、拳を磨き、健気に闘う小さな戦士たち。

その勇姿をとくとご覧あれ。

館長が選んだ幼生アイドル

Floor C

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僕にとって幼魚は身近にいるアイドル!
見た目のかわいらしさや...

美しさはもちろんのこと、
一生懸命がんばっている姿や背景のストーリーも含めて応援したくなるのがアイドルですよね。
幼魚はまさにそんな存在なのです。



館長が今選ぶ、漁港で出会えるアイドルベスト10を発表します。

みなさんが思い描くようなキラキラカラフルなメンバーではないかもしれません。僕の独断と偏見です。

注目してほしい萌えポイントも合わせてご紹介するので、文句は言わせない!
これからトップの仲間入りを果たすかもしれない地下アイドルたちもぜひ応援してくださいね。

あなたにとっての新しい推しメンバーが見つかりますように。

幼魚と成魚を比べる

Floor D

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親子なのに顔が似ていないとか、人間はすぐそんなことを気にしますが、...

僕からしたら大した違いではありません。
海の世界では、親子の似ている似ていないはそんなレベルの話ではないのです。



 卵から生まれたばかりの魚は仔魚と呼ばれ、ほとんど泳ぐ力をもたず漂って生活しています。少し成長して稚魚になると自力で泳ぎ始め、ヒレが少しずつ発達して幼魚に。
そこからグングン成長して、立派な成魚になっていきます。
プカプカ浮かんでいた子が力強く泳ぎ出したり、海底に下り立ったりと、成長とともに生活スタイルが変わる魚たち。
それに合わせて見た目も変化していきます。
なかには色や模様がガラリと変わる者や、体の構造さえも変えてしまう者まで。



 言わなければ同じ種類だとは思えない、大変身する親子を見比べてみましょう。

どこかに面影を見つけられたら、それは素敵な“いっしょ探し!”

深海の幼魚を科学する

Floor E

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地球表面の約70%を占める海。その98%が深海だと言われています。...

目の前に広がる駿河湾をはじめ、すぐ真下にあるはずの世界。
でも200mという分厚い水の壁が、深海と僕たちとの間に心の距離を生んでいるのではないでしょうか。
その橋渡しをしてくれる存在が、幼魚たちです。



 暗くて、冷たくて、水圧が高くて、エサが少ない…幼魚たちが育つには、深海は過酷な環境です。
そこで一部の種類は、浅瀬で幼少期を過ごす道を選んだのです。浅瀬で生まれる者もいれば、湧昇流に巻き上げられて来る者も。
エサを求めて深海と浅瀬を毎晩行き来する働き者もいます。
深海魚が実は身近なところにいる。ある冬の日に漁港の足元に現れたリュウグウノツカイの幼魚が、「海は横にも縦にも繋がっているんだ」と僕に感じさせてくれました。

 ふたつの世界を渡り歩くのは並大抵のことではありません。
透明になってみたり、浮きやすい体形になってみたり、クラゲを利用してみたりと、工夫の限りを尽くして辿り着いたそれぞれの正解。
浅瀬で出会える深海幼魚たちの生きた姿や、峯水亮さんの物語的なお写真、最新技術により実現した透明標本を通して、彼らの生き様を感じ、遠くて近い海・深海の旅へとご一緒しましょう。

本当の海を知らない幼魚

Floor F

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フィールドに出て魚たちと触れ合っていると、よくこう感じます。...

「魚の分布は、人の分布」なのだと。



図鑑にはそれぞれの種類の生息域が書かれていますが、これは「そこにしかいない」のではなく、「そこでしか見つかっていない」ことを意味しているのです。実は別の場所にいるかもしれない。
でも熱心に調査する人や、違和感に気づく人がそこにいなければ、存在していることにはならないわけですね。

 これは自然界での発見に限らず、魚の研究全体に言えることなのではないでしょうか。
生き物を知る、育む、伝える。その根っこには、必ず人の想いがあります。ある種類に強く心惹かれ、徹底的に向き合ってきた人がいるからこそ、僕たちはその生き物の存在に触れることができるのです。

 本当の海を知らない幼魚。つまり人工繁殖によって誕生した生き物たちを集めました。水族館や食卓で身近に目にする種類が並んでいるでしょう。
そんなよく知っている魚たちは、どこで、誰の情熱によって、どのように育まれているのか。
ここは人を展示するコーナーです。

水辺の幼魚

Floor G

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「海が豊かかどうかは、山を見ればわかる。」そんな言葉があるくらい、...

海と陸は繋がっています。 雨水が栄養を含んだ地中にしみ込み、川となって海へ流れ込む。
豊かな土は、海の生態系を支える役割を担っているのです。



 海にとって素敵なものが川から運ばれてくる一方で、素敵じゃないものも流れてきます。ビニール袋だって、ペットボトルだって、食品トレーだって…
町から出たゴミの行きつく先は、僕がいつも覗いている漁港の角だったり、砂浜だったり、深海だったりするのです。
ゴミはゴミ箱へ。当たり前に聞こえるかもしれませんが、ゴミ箱に入れるか道端に落とすか、それによって行き先がまったく変わってしまうと思うと、ちょっとの手間でも自然と身体が動きますよね。

 海の世界に想いを馳せる入り口は、僕たちが日々歩いている足元にあるかもしれません。
まずは身近なところにいる生き物に目を向けてみましょう。
彼らが見せてくれるたくましい生き様、そしてそれを支える環境への気づき。
そこから始まる、あなたと海の物語。

幼魚屋のご案内

Floor H

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もう一つの楽しい空間へようこそ!
 

幼魚屋の営業時間は
10:00~18:00

幼魚水族館のお土産屋さん

鈴木香里武館長監修の幼魚水族館オリジナル商品や作家さんとのコラボアイテムなど多数販売中

INTRODUCTION

鈴木香里武(KARIBU SUZUKI)

1992年3月3日生まれ 魚座

幼魚水族館館長。
幼少期から魚に親しみ、専門家との交流や様々な体験を通して魚の知識を蓄える。
大学院で観賞魚の癒し効果や稚魚の生活史を研究。
メディア・イベント出演、執筆、水族館の企画プロデュース等、海や魚の魅力を伝える活動をしながら、岸壁幼魚採集家として漁港に現れる稚・幼魚の観察をライフワークとする。